最近カー用品店に行くと、車用の補修グッズがたくさん並べられています。
「簡単に傷を消せる」と宣伝している商品が多くありますが、実際はどうなのか?疑問に思った方も多いと思います。
今回は、プロの道具を使わずに市販されている商品だけで本当に傷が消せるのか検証してみました。

用意したもの
・DAISOの耐水ペーパー
・ホルツ キズ直し安心セット
マスキングテープと当て板が入っています。
・ホルツ タッチアップパテ 筆塗り
・ホルツ タッチガン専用 クリア
・ホルツ タッチガン専用 ボカシ剤
・ホルツ タッチガン
ホルツから出ているクリアとボカシ剤をスプレーにできる商品です。
色は残念ながら対応色がなく、ネットで注文することになりました。
普通の筆塗りタイプを注文しました。
合計6000円ほどになりました。
色以外はすべて店頭で販売されているものを購入しました。
これで綺麗に直すことができるならば、かなりお得ですが綺麗に直すことが出来るのでしょうか?
実験開始
1 傷の凹凸を消しつつ、パテの足付けをする
まずはキズの凹凸を消すために、耐水ペーパーの800番で磨いていきます。
パテの足付けの意味合いもありますので、しっかり磨いていきます。
足付けの意味は、塗料やパテが簡単にはがれてしまわないように表面に細かい傷を入れることです。
力が均等にかかるように、キズ直しセットに入っていた当て板を使いながら磨いていきます。
磨く際に余計なところに傷を入れないように、補修する部分より少し大きめにマスキングをするようにしましょう。

2 しっかり乾燥させた後にパテを塗る
液体のパテを塗っていきます。
傷を直すときに一番重要なのが、下地になります。
下地処理がうまくいっていなくて、凹凸が残っていると傷はきれいに消えません。
厚く塗るようにしましょう。
後でパテを塗った部分は平らになるように綺麗に磨いていきますが、パテが薄いと磨いても凹凸ができてしまいます。
凹みを膨らませるように、何度も重ね塗りするようにしましょう。
パテが垂れないように下側だけマスキングした方がいいと思います。

購入した筆塗りパテは液体の為、なかなか厚く盛ることができません。
プロが使う厚盛のパテと比べると、かなり大変でしたが、何度も重ね塗りをすることで凹みを埋めることができました。

3 厚く塗ったパテを平らになるように磨く
塗ったパテが平らになるように、耐水ペーパーの400番で、当て板を使いながら磨いていきます。
下地処理が一番大切なので、根気よく頑張りましょう。
手で触ってみて、パテを塗った部分と塗っていない部分が分からなくなるくらいが理想です。
ツルツルになるように磨いていきましょう。

4 クリアの下地処理
早く色を塗りたいという気持ちを抑え、もう一つやるべきことがあります。
色を塗る部分は400番で磨いたため足付けできていますが、クリアは色を塗る部分より広範囲に塗っていきます。
そのため、クリア用の足付けが必要になってきます。
パテを塗った部分より広範囲に足付けしましょう。耐水ペーパーの2000番で磨いていきます。
綺麗な部分にも傷を入れてしまうので怖いかと思いますが、大事な作業なので忘れないようにやりましょう。

5 マスキング
検証ではハトロン紙を使っていますが、新聞紙でも代用できます。
新聞紙で代用するときは、新聞紙の端っこに小さい穴が開いていますので、穴に注意しながらマスキングしましょう。
マスキングの範囲は、一度スプレーを広い安全な場所で噴射してどれくらい飛ぶか見てから範囲を決めましょう。
心配な方は、全部マスキングしてしまうのもありかもしれません。

6 色を塗る
筆塗り用を購入したので、傷がついて色がはがれてしまった部分だけ筆で塗っていきます。
周りと色が全然違いますが、クリアを塗ると艶が出て周りと同じ色になると思います。

7 クリアを塗る
クリアはホルツのスプレータイプを購入したので、足付けした部分に均一になるように塗っていきます。
焦らずに、ゆっくり乾燥させながら塗るようにしましょう。
急いで塗ってしまうと垂れてしまい、さらに手間が増えてしまいます。
薄く塗って、乾燥してきたら重ね塗りをしていくようにしましょう。

もし垂れてしまったら、完全に乾燥させた後に耐水ペーパーで磨き、その上からクリアを塗れば大丈夫ですが、大変な作業なので慎重に塗っていきます。
1度塗っただけでは光沢は出ずに、汚い感じでしたが、3回ほど重ね塗りをすれば綺麗になってきました。
筆塗りタイプよりは、スプレータイプの方がきれいになると思います。
チャレンジしてみようと考えている方は、スプレータイプを購入することをおすすめします。

8 ボカシ剤を塗る
こちらもホルツのスプレータイプを購入しています。
ボカシ剤の役割は、筆で塗った塗料とクリアをなじませる効果があります。
成分に溶剤が入っており、塗膜の分厚い部分を少し溶かして、周りとの段差をなくして綺麗に見せる効果があります。
こちらもクリアと同じ範囲を塗っていきます。
かなり綺麗になりました。


検証結果 まとめ
市販品だけでも、綺麗に直すことができました。
しかし、プロのクオリティから比べるとやはり差が出てしまいます。
作業も大変で、朝から作業しても1日では終わらず、2日ほどかかります。
必要な物をすべて揃えようとすると6000円くらいかかりましたので、傷で困っている方は板金屋に持って行き、料金を聞いてみてから考えたほうがいいと思います。
自分で直してみたいと考えている方は、市販品だけでも時間を掛ければ綺麗に直すことが出来たので、挑戦してみるのもありかもしれません。