2021年の新車販売ランキングでは上位のほとんどがトヨタでしたが、全ての車が売れていたわけではありません。
あのトヨタですら、過去には売れていない車を何台も世に放っていました。
名前は知ってるけど、どんな車か覚えていないという人もいるでしょう。
今回は、マイナーなまま売れずに終わってしまった不人気者達を10台集めてみました。
そういえばそんな車あったなーと懐かしい気持ちになっていただければと思います。
注意点・不人気車だからダメな車というわけではありません
現在、乗られている方は、とても貴重な車です。
乗っている車が不人気車だからという理由で、買い換えるというのは待ってください。
もしかしたら、希少車としてこれから値段が上がる可能性もあります。
一般受けしなかっただけでいい車もたくさんあります、大事に乗ってあげてください。
簡単動画ランキング
前編
後編
1台目 トヨタ IQ
2008年から2016年の間に、8年間製造され、3万台売れていました。
しかし、街中で見た記憶があるという人は少ないのではないでしょうか?
3万台売れているのならば十分と考える人もいるかもしれませんが、トヨタのアクアは、たったの2か月で3万台売れています。
トヨタのIQは8年間で3万台しか売れていません。
このトヨタのIQは、普通乗用車なんですが、長さが軽自動車よりも40cm以上短いという特徴があります。全長は2985cmと、3m切っています。
これが最大の特徴になっているコンパクトカーなんです。
大人3人子供1人が乗れるくらいのサイズで、スペックは軽自動車を超える最大出力68馬力もあります。
燃費はリッター23kmと、当時の軽自動車の平均的な数字を上回っています。
2008年には、日本カーオブザイヤーを受賞している車です。
実はこの車は、環境対策の為にメーカーが作り出した車で、この車が売れれば、CO2の削減や交通渋滞の緩和にもつながるとしてましたが、結果は全然売れない車になってしまいました。
売れなかった原因は価格帯にあると思います。
132万~355万と、軽自動車よりも高いのに、荷物や人を多く乗せられないとして不人気車になってしまいました。

2台目 トヨタ ヴェロッサ
走り屋であれば、改造車のベースで聞いたことがあるという方もいるでしょうが、街中で見かけることはほとんどありませんね。
2001年から2004年に発売されていました。
トヨタのマークⅡ・チェイサー・クレスタの3兄弟がいますが、その後継機としてビスタ店取り扱いの高級車として作られたのがヴェロッサになります。
当時のトヨタとしては独特のデザインをしていました。エモーショナルなセダンを目指して作られた高級車です。
フロントまわりは、イタリアのアルファロメオ156を彷彿させるデザインをしています。
内装もこだわりがあり、シルバー調の縁取りがされた楕円形のエアコンの吹き出し口だったり、アルミのフットペダルだったりと、こだわりを感じられる高級車でした。
当時の日本車からすれば、かなり斬新なデザインとなってました。
イタリアの高級車のようなデザインが、トヨタ党のお客様に全く評価されずに、月間販売台数1000台も達成できなかった不人気車になります。
2001年から2004年に販売された台数はたったの2万4000台となり、約3年で生産が終了となってしまいました。

3台目 ホンダ ザッツ
皆さん聞いたことあるでしょうか?
人気の車は、2代目・3代目と続いていきますが、不人気車は1代目で消えてしまうということがよくあります。
スズキのアルトは8代目、ダイハツのムーブは7代目と人気車は続いていきますが、ホンダのザッツは、残念ながら1代目で消えてしまいました。
2002年から2007年に100万円前後で発売されていたこの車ですが、3代目のライフをベースに改良して生み出されました。
ライフは女性をターゲットにして人気車となり、現在6代目まで続いています。
ホンダのザッツはその派生で、ライフをベースに20代から30代の男性をターゲットにして、スクエアなデザインで生産されました。
ボディフォルムからヘッドライト、ドアミラーまで全体に四角形をイメージしたデザインになっています。
シンプルかつ力強く、そして、遊び心を表現している車になっています。
コンセプトはイイ感じなんですが、しかし、想定していたユーザーは興味を示さず、1代目で生産終了となってしまった、悲しき軽自動車のトールワゴンになります。
不人気の理由は、男性が軽自動車にあまり興味を示さなかったという理由と、3速オートマしかなかったことが原因と考えられています。
3速オートマは、遅い・うるさい・走らない、と言われているオートマで燃費も悪いと言われています。
天井は高く作られていますが、足元空間がかなり狭く、男性向けという車ですが男性が乗るには快適と言える車ではなかったことも、不人気の原因でしょう。

4台目 トヨタ セラ
若い方で知っているという方は少ないでしょう。
1990年から1995年の間に生産されていた車で、160万円くらいで販売されていました。
ガルウィングのコンパクトカーで、当時はものすごく注目された車です。
大衆車で開発されているのにも関わらず、スーパーカーの特徴を持つセラで、高い注目がありましたが、しかし、売りにしているガルウィングの一面ガラス張りのせいで、車内が丸見え過ぎて欲しがる人は少なく、夏場は太陽の光が屋根から直接入り込むので、車内はかなり熱くなったそうです。
これらの理由から、快適とはほど遠い車になってしまい全然売れませんでした。
バブル崩壊という時期も相まって、5年間で販売台数はたったの1万5800台しか売れず、不人気車となってしまいました。
しかし、現在ではセラのスーパーライブサウンド搭載モデルは、なんと500万円近くで取引されています。
現在はユニークな車が少なくなっていますので、こういったユニークで貴重な車は値段が高騰する傾向にあります。

5代目 スズキ キザシ
スズキといえば、アルトやワゴンRなどの軽自動車を思い浮かべる人が多く、普通車も生産しているの?なんて声も聞きますが、もちろん普通車も生産しています。
スズキのスイフトは人気車種で、販売から11年間で500万台も売れています。
そんなスズキですが、セダンタイプの普通車として販売したのがキザシで、2009年から2015年に200万円後半から300万円前半で販売されていました。
この6年間で、販売した台数はたったの3379台で、圧倒的な少なさでした。
しかも、販売台数の内900台は警察車両として、警察に販売されていました。
スズキのキザシを見かけたら、4台に1台は警察車両という、とても珍しい車になります。
スズキは最初から、販売台数を見込めないとして受注生産という珍しい形をとっていました。
アメリカをターゲットにして開発されていた車ですが、2008年のリーマンショックでアメリカから撤退。
スズキと言えば軽自動車というイメージから、人気はいまひとつでした。
この車がヒットしたら、ヨーロッパに進出しようというのがスズキの狙いでした。
最終的には、V6エンジンを搭載し6速オートマを積んで売り出そうとしていました。
そんな野望の見え隠れする車でしたが、残念な結果に終わってしまいました。

6台目 日産 ティーノ
ミスタービーンのCMを覚えている方もいるでしょう。
この日産のティーノは1998年から2003年の間に、160万円後半から200万弱で販売されていました。
「オールマイティーでハイトなワゴン」というコンセプトで、CMでも宣伝されていました。
特徴的なのは座席で、通常の6人乗りとは違い、前席に運転席も合わせて3人、後部座席に三人が座るという、通常の6人乗りとは違う座席になっていました。

車幅1760cmという車に、横並びで3人座るのは正直かなり狭いと思います。
売れていない要因のもう1つが、1800ccのエコタイプのエンジンを積んでいたので、上り坂はアクセルをベタ踏みにしないといけなかった。
2000ccエンジンのバージョンもありましたけど、車重が1400kgと重ための車なのでそれでも厳しかったそうです。高速道路や上り坂はストレスの原因になってしまっていた。
これらの理由で不人気な車になってしまいました。

7台目 トヨタ ブレイド
こちらも1代目で生産終了となってしまった普通車になります。
2006年から2012年と約6年間販売されていました。
普通乗用車より少し高級志向で、値段は220万円から340万円くらいのラインナップとなっていました。
「大人しくない大人にショート・プレミアム」というコンセプトで、小さい高級車というジャンルで売り出していました。
2.4リッターのエンジンを搭載してデビューした車でした。
ダッシュボードはスウェード調で、上級グレードになると運転席8ウェイパワーシート付きのアルカンターラ張りが採用されていました。

しかし、この当時のフォルクスワーゲンゴルフとか、BMWの1シリーズという高級車と比べてしまうと、走りの性能が良くないという欠点がありました。
途中から登場したブレイドマスターと呼ばれる、3.5リッターのV6エンジンを搭載する車を出しましたが、ステアリングサスペンションがいまいちで、速度を上げていくと怖いという声がありました。
同じクラスのヨーロッパ車には、まるで及ばないという酷評が付いてしまい、6年という期間で販売が終了してしまいました。
6年間で販売された台数は、5万台という結果に終わりました。

8代目 トヨタ カレン
6代目セリカをベースモデルに改良を加えて、1994年から1998年の4年間、価格は186万円から269万円で販売されていました。
デートカーに属するFFクーペで、カテゴリー的にはスペシャルティクーペになります。
デートに行くためのおしゃれな車になっています。
エンジンはハイメカツインカムで、効率的かつ低価格なDOHCの3S‐FE、スポーツツインカムである3S‐GEの直4エンジン、低いグレードのTSには、1800cc直4の4S‐FEが搭載されていました。
この当時のセリカGT‐FOURは、純粋なスポーツカーでパリ・ダカールラリーを走っていました。
そのセリカから比べてしまうと中途半端で、かといって、日産のシルビアのようなFRでハンドリングを楽しめるような車ではなく、どの層にもしっくりこないという結果になり、不人気な車になってしまいました。
販売台数は4年間で、4万4000台しか売れませんでした。

9台目 トヨタ オーパ
2000年から2005年の間に、販売価格170万円から230万円ぐらいで発売されていた車です。
ポルトガル語で「びっくり」という意味の車でしたが、全然売れませんでした。
5人乗りの車内は広々としていて、荷物も多く積むことができました。
トヨタ初のCVTが搭載されていることで話題にもなりました。
しかし、ミニバンでもない、小型ワゴンでもない中型車で、この中途半端なサイズが一般受けしませんでした。
この中途半端なサイズから、どういった層に売ればいいのか?という、ターゲットを絞り切ることができなかったそうです。
現在であれば、普通の2列のステーションワゴンということで受け入れられそうですが、当時は人気がなく、販売総数は7万8000台という結果に終わり、不人気車の仲間入りとなりました。

10台目 トヨタ ブレビス
2001年から2007年まで販売されていました。販売価格は336万円から417万円で、「小さな高級車」というコンセプトで売り出したいました。
7代目で紹介させていただいたトヨタのブレイドと同じコンセプトでした。
トヨタの1000万円を超える高級車センチュリーを手掛けたチーフエンジニアたちが、開発していき内装までしっかりとこだわっている高級車になります。
木目を使用した内装に、本革シートを採用して高級車としてしっかりと作りこまれていました。
しかし、デザインが保守的で若い世代に受け入れられずに、値段の高さも相まって、販売総数は約3万3400台しか売れず、不人気車になってしまいました。

まとめ
現代にはない特徴的な車が多いので、魅力的に感じたという人もいるのではないでしょうか?
当時は不人気車でしたが、今あらためて見ると魅力的な車もあります。
実はこういった不人気車は、ある意味ねらい目のような車もあります。希少車として値段があがっていく車もありますが、状態がよくて値段も安い車が多くあります。
デメリットが受け入れられ、デザインが好きで乗りたいという人にはオススメの車になっているのかもしれません。
広くは受け入れられないけど、その分一部の人にささり、深く愛されるということもあると思います。