使えなくなったスタッドレスタイヤが復活する、そんな噂を聞いたことないですか?
これが本当ならば、劣化したタイヤを買い替える必要がなくなるので嬉しいですね。
今回は、そんな噂のスタッドレス復活法について解説します。この復活法、実は危険です。
スタッドレスの寿命。なぜ使えなくなるのか?
スタッドレスタイヤの寿命、買い換える時期というのが、約5年になります。
なぜ、溝が残っていても買い換えなければいけないのかというと、タイヤの劣化によりゴムが硬くなり、タイヤのグリップ力が落ちてしまうからです。
これは、紫外線や熱、オゾンの影響で、タイヤに含まれているオイルが染み出してしまうことが原因です。
オイルが染み出すことによりタイヤのゴムが硬くなってしまうので、5年という期間で買い換えなければいけません。

噂のスタッドレス復活方法。本当に柔らかくなるのか?
先程説明した通り、ゴムの劣化が原因で、たとえ溝が残っていても使えなくなります。
オイルが抜けて硬くなるなら、「オイルを足せばいい」というのが、スタッドレス復活法になります。
タイヤの上からオイルを塗りこみ染み込ませることにより、タイヤが柔らかくなりグリップ力が復活して使えるようになるそうです。
しかし、このスタッドレス復活方法には危険があります。
そのことについては、後ほど詳しく解説します。
用意するものは2つになります。
- バイク用エンジンオイル
- 灯油
オイルを染み込ませるために灯油を使うそうです。
灯油は、ゴムに染み込んでいく特性があります。この特性を利用してエンジンオイルをゴムに染み込ませるそうです。
間違ってもオイルだけ塗ってはいけません、ただ滑るだけの危険なタイヤになります。
この方法を試すのであれば、灯油も絶対に用意してください。
用意した灯油とエンジンオイルを混ぜます。

灯油8割、バイク用エンジンオイル2割で混ぜ合わせたものを、タイヤの表面に塗りこんでいくという簡単な作業です。
検証開始。硬度計を使って検証
硬度計で見ると新品のスタッドレスは硬度が53くらいになっています。

4年間放置したもので硬度は60くらいとなっています。

この60という数字がぎりぎりの値で、これ以上硬度が高くなると危険性が増します。
タイヤ屋さんに持って行くと交換した方がいいと勧められると思います。
7年落ちのタイヤになると、硬度は63まで劣化していました。
10年落ちのタイヤで、65まで硬くなっていました。

これらのタイヤに、先ほど用意した物を塗りこんでいきます。
塗った後は24時間放置しないといけないということなので、待ちましょう。

検証結果
4年落ちのタイヤ:硬度60から53まで変化
7年落ちのタイヤ:硬度62から54まで変化
10年落ちのタイヤ:硬度65から58まで変化
数字で分かる通り、タイヤが柔らかくなったことがわかります。
硬度60以上の使えないタイヤが、新品同様の硬度まで戻りました。
スタッドレス復活方法は、確かにグリップ力が復活していましたが、落とし穴があります。
このスタッドレス復活方法の危険性について解説します。
危険性について。グリップ力が戻るのは表面だけ?
この復活方法は、確かに硬度が柔らかくなりグリップ力が復活しますが、あくまでも表面だけの話になります。
タイヤの表面から塗りこんでいくので、中まで完全に浸透する訳ではありません。
タイヤ表面が摩耗してしまうと元の硬度に戻り、グリップしない危険なタイヤに戻ってしまいます。
通常の新品タイヤであれば表面が摩耗しても硬度は変化せず、グリップ力は下がりません。
柔らかくなった部分が削れてしまうと、いきなり滑り出すなんてこともあるかもしれません。
動画で簡単解説
深まる冬用タイヤの豆知識
まとめ
スタッドレス復活方法は確かにグリップ力が戻りますが、一時的なものです。
緊急処置的な使い方はできるかもしれませんが、おすすめはできない方法です。
後1週間だけ使いたい、サーキットで一瞬だけグリップ力が欲しい、とかであればいいかもしれませんが、どちらにしてもリスクがあります。
タイヤは命を守る大事なものなので、交換時期をきちんと守ることをおすすめします。