最近、高齢者の事故がニュースでよく取り上げられ、目にする機会が増えていると思います。
実際に、高齢者の事故は増加傾向にあります。
これを受けて政府は対策案として、高齢者運転免許更新制度という新しい制度を導入しました。
今回は、この高齢者運転免許更新制度はどういったものなのかを解説します。
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高齢者運転免許更新制度が施行された背景。
高齢者の事故の割合が増加している原因の調査としてまずは免許保有者の割合を調べてみましょう。
なんと、運転免許を保持している人の内、15%が高齢者になります。
全ての交通事故の内、高齢者が絡む事故は2010年は16%だったのに対し、2020年では24%まで増加しています。
増加傾向にある高齢者の事故に対して、政府が対策として実施したのが高齢者運転免許更新制度です。

高齢者運転免許更新制度で何が変わったのか?
変更点は3つあります。
・高齢者講習、認知機能検査の内容変更
・運転技能検査の導入
・サポートカー限定免許制度の導入
上記の3つになります
今までは、高齢者講習を受けるだけで更新手続きが完了していましたが、高齢者運転免許更新制度の導入により、試験が厳しくなり、運転技能検査が追加されました。
これらの項目をクリアできないと、免許証は更新できずに失うことになります。

75歳以上が対象。違反のありなしによっても試験項目が変わる。
75歳以上を対象にしており、3人に1人が免許を更新できないと言われる高齢者運転免許更新制度。
違反をしてるかどうかでも、試験の内容が変わり、違反をされている方は運転技能検査からのスタートになります。これをクリアしない限り、次の認知機能検査に進むことができません
違反されていないゴールド免許の方は、認知機能検査からのスタートになります。
もし、認知機能検査で不合格の場合は、医師の診断書が必要になってきます。

認知機能検査に合格出来たら高齢者講習を受けることができ、ようやく免許の更新ができるという仕組みになります。
これらの試験をクリアできない限りは、免許は更新できません。
免許更新にかかる料金も変更。更新費用に1万3000円もかかる?
料金が細かく変更されていて、75歳以上で違反ありの場合は全て1回で合格できたとしても、最低で1万3000円かかります。
・高齢者講習の料金
従来は、2時間5100円のパターンと、3時間7950円のパターンでした。
現在は、この二つのパターンが統合され、2時間6450円のみになりました。
・認知機能検査の料金
従来は、750円でしたが、現在は1050円になりました。
・運転技能検査の料金
新しく追加された運転技能検査ですが、1回3550円で受講することができ、6か月前から試験を受けることができます。
運転技能検査で落ちたとしても、期間内であれば何度でも受けることができるので、心配な方は早めに受けるようにしましょう。
ただし、受けに行くたびに3550円かかりますので注意しましょう。
救済制度 サポートカー限定免許
田舎に住まれていて、交通機関が全然整っていないという事もあると思います。
免許証を失い車に乗れなくなると困る高齢者の方は多いと思います。
しかし、免許を更新できる自信がない、という方向けにサポートカー限定免許というものがあります。
サポートカーって何?と思われた方もいると思います。
自動ブレーキシステムや、ペダルの踏み間違いによる急発進抑制装置などの安全装置が付いている車になります。
これらの安全装置を搭載している車であれば運転してもいいという限定免許になります。
サポートカーへの乗り換えが必要ですが、免許を返納してしまうくらいならば、サポートカー限定免許に切り替えるのもありかもしれません。
まとめ
高齢者の事故を減らす目的で導入された高齢者運転免許更新制度ですが、事故が少なくなるのはいいことですが、車がないと生活に困る高齢者もいると思います。
そういった方たちは、救済制度であるサポートカー限定免許をうまく使い、事故を起こさないように安全に車を運転してほしいです。
周りに高齢者で運転されている方がいる場合は、一度検討されてみるのもいいかもしれません。