今使っているETCが2022年12月から使えなくなる?急いで買い替えなくてはいけない、と思っている方、少し待ってください。
ETC2.0以外は使えなくなる!という情報は間違った情報です。今回は、この間違った情報を正しく理解できるように解説いたします。
ETC2.0以外が使えなくなる?
結論から言うとこの情報は間違っています。
3つの情報が混ざってしまい、このような間違った情報が流れてしまったのでしょう。
3つの情報とは?
・2015年に新しくETC2.0がリリースされたという情報。
・2005年に電波法が改定されました。これにより古い一部のETCが使えなくなるという情報。
・2030年に最新のセキュリティ機能を持った新しいETC以外は使えなくなるという情報。これが2017年に国土交通省から発表されました。
この3つの情報が混ざってしまい、なぜか最新以外のETCは2022年12月に使えなくなるという間違った情報が流れてしまいました。

そもそもETC2.0って何?メリットとは?
2021年9月時点でETCの普及率は93.5%、その内ETC2.0は27.4%の普及率です。
道路のITSスポットという機械と通信しながら走れるという機能があります。
その機能によって、交通渋滞の情報のデータをやり取りできるようになるので、渋滞を避けながら動けます。というのがETC2.0。
そして、それをつけることによって通行料金が2割引きになるという特典が付きます。
これにも落とし穴があります。
対象となる区間が決められていて、圏央道のみとなっています。つまり関東の人だけしか恩恵は受けられません。
深夜割引や通勤割引の割引率も10%上乗せしますと言われていますが、対象は緑ナンバーのみ、そして専用ETCカード ETCコーポレートカードという会社のETCカードでないと割引は受けられません。
普通種の方はほとんど恩恵を受けることはできません。
もう一つのメリットが、道の駅に行く際に、一度高速道路を降りる必要がある場合があります。
その場合、乗り直すと再度料金を払わなければいけなかったが、ETC2.0の場合はその料金は免除されます。

しかし、ここにも落とし穴があって、3時間という時間制限、そして対象としている道の駅も、全国で23か所しかありません。ほとんどの道の駅が、対象外となっています。
1000km先の交通情報も分かりナビと連動することにより、渋滞も回避できると言われていますが、スマホのナビでも、渋滞情報などは1秒おきに見れます。
これらのことから正直なところ、今更感もあり、一般の方はほとんど恩恵は受けれないと思います。
ETC2.0は高い?買い換えたほうがいいのか?
先程説明したようにほとんどの人が恩恵を受けられないと思います。
ETC2.0は普通のETCに比べ、1万円ほど割高になっています。
使えなくなるという間違った情報が流れたばかりに、最新型を買ってしまったという人もいると思いますが、まだの人は少し待ってください。
使えなくなるというETCは、現在ではほとんど残っていないような古い機種になります。
急いで買い替える必要はありません。

電波法違反とは?スプリアスを発するETCが使えなくなる。
電波法の改定により、スプリアス=不要電波を発するものは禁止するというもので、それが出るETCが一部あるということで、その電波を発する人は買い換えましょう。
警察無線・救急車の無線を妨害する電波を出すETCは排除しましょうという事です。
しかし、現在ではそんなETCをつけている車はごく一部になってると思います。
電波法に引っかかるETCは、2009年以前に作られた一部のETCが対象で、パナソニック、デンソー製の一部のETCになります。
三菱・アルパイン・イクリプスは全て対象外なので、買い換える必要はありません。
2009年以前に取りつけたままという方は、対象となる製品の品番がホームページに載っていますので、心配な方は公式ホームページをご確認ください。
もし、買い替えを忘れてもゲートが突然開かなくなるということはありませんので、安心してください。
実はこの法律も、現在は延期になっています。
2022年12月の予定でしたが、延期となり正確な日付は決まっていません。

2030年からはセキュリティ強化型ETCでないとダメ。
セキュリティ強化型って何?という人は多いと思います。
簡単に言うと、不正利用できないように機械のセキュリティを高めたもの以外は使えないということです。
不正利用というのは、本来大型車の料金を払わなければいけない車を、ETCを改造することによって、軽自動車と同じ値段で通行できるようにすること。
セキュリティ強化型でないETCは、簡単にデータの書き換えができてしまっている。
この違反行為を防ぐ目的で定めたのが、この法律で、国土交通省が定めました。
施行のタイミングは2030年という、まだまだ先の話です。
ETC旧規格の見分け方
保証書や取扱説明書を確認して、車載器管理番号の19桁の数字を確認しましょう。
この番号の数字が1から始まっているのであればセキュリティ強化型となっているので、2030年も買い換える必要はありません。
0から始まる方は旧規格ということで、2030年には買い換えておく必要があります。
これらがない場合は、ETC本体をチェックして「●●●」のマークがあればセキュリティ強化型の規格になります。
ETC2.0の場合はカード挿入口を確認して、その近くに「■」のマークがないものが新規格となっています。
なので、確認していただいてこの条件を満たさなければ2030年までには買い換える必要があります。
最近買い換えたからと言って、セキュリティ強化型の新規格というわけではないので、是非一度確認しましょう。
動画解説
まとめ
間違った情報が出回っていますが、2022年12月に使えなくなるというETCはごく一部です。
それも、突然ゲートが開かないということはありません。
是非一度、自分のETCを確認いただいて、電波法違反の古いETCである場合は、買い換えましょう。
それ以外の方は、2030年までにセキュリティ強化型に買い替えれば大丈夫ですので、急いで買い替える必要はありません。
新しい機能や、性能の向上もあると思いますので、2030年までにゆっくりと買い替えればいいと思います。